初心者の方へ
「ボイストレーニングをやりたいけれど、
何からやっていいか分かりません」
こんなお悩みを沢山もらうようになったので、
ここではボイトレ初心者の方がやるべきトレーニングを
順序立てて解説します。
※再生リストも作ったので、ぜひ毎日のボイトレに活用してください。
パーツの分離
喉に関係するパーツ、たとえば
唇、舌、地声、裏声、顎、仮声帯、喉頭蓋、軟口蓋…etc
をバラバラに動かせるように訓練するところからスタートします。
というのも、僕らの喉のパーツはごちゃごちゃに絡まってるからです。
試しに、
手をパーに開いた状態から「小指だけ」を曲げてみてください。
ホントに小指だけ曲げてみる。
どうですかね…?
たぶん、いっしょに薬指まで曲がっちゃったと思うんですよ。
こんなふうに、一つのパーツを動かそうと思っても
他のパーツまで一緒に動いてしまうことを“混合(こんごう)”と言ったりしますけど、
まさに僕らの喉は混合しているんです。
たとえばこんな感じ。
・口の形を変えれば、連動して喉のポジションまで変わってしまう…
・地声の筋肉だけ使いたいのに、裏声の筋肉まで一緒に動いてしまう…
・声帯だけ使いたいのに、仮声帯も動いてしまう…
ちなみにこれ、全部むかしの僕の喉の状態です。
これ以上の混合があるか?ってくらい、喉が混合してましたね。
それに気づかず
地声と裏声を混ぜるミックスボイスの練習を含めて、
表面的なテクニックばっかり練習してきました。
でもそれは
野球グローブを手にはめたまま、
ピアノを弾こうとしてるようなモノ。
うまくいくわけがなかったんです。
上手にピアノを弾くためには、グローブなんてさっさと外して
指の一本一本を自由にコントロールできるようにしなければいけなかったのに。
むかしの僕にはそんな知識がなくて、
余計な遠回りをしてしまいました。
だからこそ、このブログを見てくれてる人には、
面倒でも喉のパーツをひとつひとつ
バラバラに動かせるようにする「パーツの分離」からボイトレをスタートしてほしいと
思っています。
パーツの強化
次ですね。
パーツの分離でバラバラにした、喉のパーツを強化していきます。
パーツの分離で、しっかり喉のパーツをバラバラに動かせるようになっても、
料理で言えば、まだ野菜をカットした段階なんですね。
鍋料理を作るためには、野菜を鍋に入れて加熱しなきゃいけません。
この鍋に入れて加熱する作業こそ、喉のパーツの強化です。
しっかりと歌に使える状態に持っていくために、
分離したパーツを鍛えていきましょう。
パーツの調整
ここでいよいよ、パーツの調整です。
つまり、ミックスボイス、ビブラート、フェイク…
など、みんなが求めていく華やかなテクニックを習得していく段階に入るわけです。
僕らは、すでにパーツの分離も強化も済んでいるわけなので、
たとえば
ミックスボイスに特化した練習をしても、ベルティングボイスに特化した練習をしても
土台がない人よりも、一気にスキルを習得できるようになってます。
安心して、習得したいテクニックの訓練をゴリゴリと進めてほしいなと思います。
ミックスボイスの訓練はボイトレのほんの一部
ボイストレーニング業界では、ミックスボイスの訓練法など、
どうしても華やかなトレーニング方法にスポットライトが当たりがちです。
それ自体は悪くありません。
でもそういった華やかなトレーニング方法は、ボイストレーニングのほんの一部に過ぎない
ことは知っていてほしいなと思います。
ひとつひとつの細かいトレーニングをこなしていくうちに、確実に歌唱力は高まっていきます。
ぜひ、当たり前のトレーニングを大切に、
沢山のひとを魅了する素晴らしい歌唱力を手に入れましょう。
トレーニングの再生リスト & 効率的な学び方
ここまでお話したトレーニング方法を
Youtubeの再生リストにまとめました。
※動画は記事に対応しています。記事でもたっぷり勉強したい方は、こちら。
動画を順番に見ていくことで、ミックスボイスをはじめとする歌唱力を高めるための
様々なスキルが身につくようにできています。
ポイントは、1分でも時間ができたら聞き流すことです。
特に最初は慣れないと思うので、
「朝の電車で毎日音声を聞き流す!」
とここで宣言しちゃってください。
毎日の生活に組み込んで、習慣化してしまうのが効率よく成長するコツです。
ボイトレってノウハウを理解するのも大事なんですけど、
最初のうちは
正確にボイストレーニングをするための「耳」を養うことが最重要なんですよ。
どんなに優れたノウハウを使っても、やりかたが間違っていたら
声が悪化することもあるのが、ボイトレの恐ろしいところです。
たとえば昨日も、僕の生徒さんが
「息混じりの弱々しい裏声を出してみました!」と音声で報告してくれたのですが、
その音源を聴いてみると、
“息が漏れてない力強い裏声”になってしまっていました。
こんなふうに耳が養われていないうちは、どうしても
正しいやりかたでボイストレーニングを実践できない可能性が高いんですね。
もちろん僕もそうでした。
だからこそ間違った方向に暴走しないように、
先生からもらった音源を
シャワーを浴びるように、毎日毎日繰り返し耳にすりこませていたんです。
たぶん軽く1000回以上は聞いてましたね笑
そしたら、
1周目より2周目。2周目より3周目。3周目より4周目、、と、
聴けば聴くほど、細かな声のニュアンスまで聞き取れる耳に進化していくのが分かったんですよ。
ボイストレーニングに必要な耳が養われていくイメージ。
これはやってみれば分かる不思議な感覚です。
その耳があれば、あとは動画の内容に従って
ボイストレーニングを進めていけば、嫌でも歌が上手くなります笑
一緒に頑張りましょう。